オーケストラ・フェスティバルネタもう少し続けます。今回は、指揮者横島勝人の音楽に迫ります。
この先生ほどイメージが豊かにふくらませられる練習は経験したことがありません。とにかく音楽を表す具体的な「言葉」が豊富なのです。実際の音楽用語ではなく、それをイメージさせる言葉をたっぷり使って練習されますから、本当にうまく乗せられてしまいます。そして、ほめるのがこれまた巧みです。まるで何か自分たちの実力以上のものが引き出されていくような錯覚に陥りました。このスタイル、学校での音楽指導にも生かせそうです。(ただしそれにはとても豊かなイメージとそれを表す言葉を持っていなければいけませんが…) 打ち上げの時にそうした話を先生としていたら、あれはみな1回限りの、その場その場で言葉にしていることなのだそうです。そして、こうした練習スタイルはプロでもアマチュアでも同じなのだそうです。うーん、本当にスゴイ! しかし、本当はそういうのではなく、指揮そのもので音楽を作り上げていければ一番なのだがともおっしゃっていました。これは意外です。そのような横島先生の指揮でもぜひ演奏したいものです。 さて、このような横島先生の素晴らしい指導で3ヶ月あまり練習を続けて本番を迎えた私たちですが、2枚の演奏後のアンケートになんとも辛辣な感想を見かけました。 吹奏楽の指導をされていると思われるある教員の方は、演奏上の瑕疵をこれでもかといわんばかりに書き連ねておられました。こんなんではコンクールでは銅賞だとも、そして中学生高校生の方がまともだとも…。もう一人は他県でオーケストラをしている方でしたが、その方も技術的な稚拙さをアンケートの表裏にびっしりと書いておられました。なんとも手厳しいことです。 このお二方に共通していることは、よかったことが全く書かれていないことです。確かに私たちは技術的にはプロに及ぶべきもありませんが(小澤征爾に言わせると「アマチュアはどんなに頑張ってもへたはへたなんだ」なのです…)、一つの演奏会に向かって何度も何度も練習に励んできたのですが…。私たちと横島先生との演奏に何も感じてもらえなかったことには落胆を隠せません。音楽をそのような観点からしか聴くことができないとは、悲しいことです。残念ながら、私たちが求めていたこととベクトルが全くかみ合っていなかったのでしょうね。でも他の方のアンケートからは、大部分の方は演奏に満足していかれた様子が感じられました。(^^;) 横島先生と富山シティフィルは来年の暮れに黒部でモーツァルトのレクイエムを演奏することが決まっています。また素晴らしい指導に出会えると思うと待ち遠しくてなりません。(ちょっと待った!モーツァルトのレクイエムって…残念ながらホルンは降り番でした。サブ・プロがホルンの活躍する曲になることを願っています…。)
by htskawa
| 2007-10-17 22:09
| Music
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