ビエロフラーヴェクといえば、以前から名前を聞くキャリアのある指揮者ですが、私の中ではたくさんいる指揮者の一人くらいの認識でしたが、このドヴォルザークの交響曲全集(2012~13年録音)を聴いて、評価が一変しました。そのくらい素晴らしい演奏なのです。また、チェコフィルも今までのスプラフォン録音では、どちらかというとハイ上がりなイメージでしたが、今回はDECCA録音のためか、今までのチェコフィルの音とだいぶん違うのにも驚いています。こんなにインターナショナルな音だったかと…。おそらくこのオーケストラでも世代交代が進んでいるのでしょう。 ビエロフラーヴェクの素晴らしいところは、そのバランス感覚だと思います。どのパートを浮かび上がらせれば最も効果的になるか熟知しているのでしょう。そのオーケストラ・コントロールに舌を巻きます。特に管打楽器の扱いに優れていますね。このコンビでのこれからの演奏に期待したいところです。 後期の3曲の交響曲の熱演はもちろんですが、今まで、あまり印象に残らなかった交響曲第1番「ズロニツェの鐘」、交響曲第5番(近々、富山大学医科薬科管弦楽団が演奏しますね!)、交響曲第6番なんてのもすごく名曲に聞こえてきます。ドヴォルザークの才能を再認識しました。と言っても、未だ印象の薄い交響曲第2~4番はもう少し聞き込んでいきたいと思います。 この演奏を知ったのは、NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)にて、前回の富山シティフィルの定期演奏会で取り上げた交響曲第7番のいろいろな演奏の聴き比べからでした。スコアにはない第4楽章の木管楽器にホルンを重ねる指示を指揮者の土井氏からもらい、その実例があるのだろうかと調べた結果、このコンビの演奏がまさにそのように演奏をしていたのでした。これはなかなか効果的な改変だったと思います。(20年前の同じコンビによる旧録音でも同じようにしていました。ついでながら、ノイマンなどチェコ系の演奏はそのように改変しているものが多かったです。)NMLのおかげでいい演奏に出会えました!
by htskawa
| 2017-05-30 22:35
| Classical CD
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